高齢者向けのリフォームとして、一番有効なのは手すりの設置です。
手すりはホームセンターなどでも取り扱いがあり、DIYの材料としても入手しやすいものです。
しかし、安易にDIYを行うことで、かえって高齢者や家族を危険にさらす可能性も。
今回は、DIYで手すりを取り付ける際の危険性や注意点、設置の基本を解説します。確かな知識を身に着けて、安全な住まいを実現させましょう。
手すりをDIYで設置することの危険性
手すりの取り付けは、非常にシンプルで簡単な作業です。
しかし、設置強度が足りないと、手すりが壁から外れてしまう危険性が高まります。
不意に手すりが外れてしまった場合、転倒やケガにつながる恐れが。
さらに階段といった箇所では、命にかかわる重大な事故につながるといっても過言ではありません。
身体に負担をかける可能性
手すりは使用用途や箇所によって、適切な位置が大体決まっています。
不適切に取り付けられた手すりを日々使用することで、身体に負担をかけてしまうケースがあります。
小さな子どもがいる場合のリスク
廊下の曲がり角や階段の端、扉近くなど、高齢者にとっては便利な手すりでも、子どもにとっては危険要因となるケースも。
背の低い子どもが走り回り、手すりに顔面を衝突させたという事故も報告されています。高齢者だけでなく、一緒に過ごす家族の安全にも配慮が必要です。
安全に手すりを設置するための基本知識
滑りにくい素材を選ぶ
手すりは、木、金属、樹脂などさまざまな素材の商品が展開されています。
しかし、高齢者は握力が弱まっている方も多いため、グリップの効く滑りにくいものを選びましょう。
必要な設置場所を見極める
手すり設置をおすすめしたい箇所は、移動距離が長いもしくは上下運動が発生する箇所です。
一般的には以下の場所に設置すると効果的です。
〇廊下・階段
〇玄関
〇トイレ
〇脱衣室
〇浴室
全箇所に取り付けるのは理想的ですが、場合によっては不要な箇所も考えられます。部屋の広さや高齢者に必要なレベルを判断し、設置場所を見極めましょう。
適切な位置・向きを知る
手すりは適切な位置がおおよそ決まっています。例えば以下のとおり。
〇廊下・階段の手すり:横方向に床から75~80㎝
〇玄関の手すり:縦方向またはL字型に60㎝、床から横方向に75~80㎝
使用者の体形や身体機能によっても微調整が必要ですが、位置や向きの目安をあらかじめ知ることで、使いやすく負担の少ない手すりを設置できます。
壁の構造を知る
手すりを落下の危険性なく設置するためには、強度を確保する必要があります。
基本的な木造住宅の内壁は、柱や間柱といった構造材を石膏ボードで覆う構造となっています。石膏ボードはねじ止めに対しての強度を持たないため、手すりは構造材を狙って確実に設置することが重要です。
一般的には柱が3尺(約91㎝)間隔、間柱が1.5尺(約45㎝)間隔で並んでいますが、実際にどの位置にあるかの判断は非常に難しいもの。
下地となる構造材を探す「下地チェッカー」といった工具は、ホームセンターなどでも入手可能です。
まとめ
高齢者向けリフォームのための手すりの設置は、DIYでも可能です。
しかし、危険性の把握や設置の正しい知識がなければ、クオリティや強度には不安が残るも事実です。
また、高齢者向けリフォームは、手すりの設置も含め、業者に依頼することで補助金を活用できる可能性が高まります。 安全性を確保するため、補助金の活用のため、少しでも不安があるかたは、当社へ是非ご相談ください。